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にじいろだより 第18号    2018.03.16

百姓になりたいと思うまで全く知らなかった野菜で、今となってはとっても馴染みのある野菜でもあるのが「のらぼう菜」(写真2枚)です。神奈川の地野菜と呼ぶ人もいるほどの野菜で、春の一時期に収穫できる菜花の一種です。名前はいかにも昔ながらの雰囲気ですが、クセがないのでどんな料理にも合わせやすく、最近は見直されているようです。

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それでも手に入るのはほんの3週間から1ヶ月程度と短い間だけ。しかも、スーパーなどにはほとんど並ぶことのない野菜の一つです。なぜなら、(業界用語で)「棚持ちしない」野菜だからです。流通では「売り場の棚に何日間並べておけるか」というのはとても重要な要素の一つでして、その意味では「のらぼう菜」をはじめとする菜花の仲間は流通向きではない野菜なのです。
鮮度を長く保てない理由の一つは、菜花は収穫後も生き続けてしまうことにあります。収穫後、横に倒しておけば菜花は起き上がってきます。そして、節間も伸びてきます。収穫後の菜花が生き続けるためにはエネルギーを使っています。株から切り離された状態の菜花はもはや根から栄養を貰うことは出来ず、自らの茎や葉からエネルギーを使って花芽を伸ばし続けます。つまり、収穫後、時が経つと茎が筋っぽくなってしまったり、葉の味が落ちたり、甘さがなくなってしまったりするのです。そんな訳で、菜花は成長が進まないように冷蔵庫で立てて保存するのが理想。そしてできれば、お早めにお召し上がりいただくのが美味しく食べて頂く最大のコツでもあります。

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菜花も当然植物の一種なので、生きる最終目的は子孫を残すこと。つまり、最後は花芽に栄養が集中します。それを食べるわけなので元気が出ないはずはないと思います。庶民の野菜なのでシンプルに豪快に調理してお楽しみいただけるといいのかなと思います。自分はザクザクと大きめに切って、下茹でもせずに、油揚げと一緒に炒めるのが好きです。味付けは塩だけか、もしくは火を止めてから醤油を一回し。それだけで大満足です。

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「のらぼう菜」と同じ時期に収穫できるのが同じく花芽野菜の「冬紫宝」(上の写真)です。紫色の茎ブロッコリーで捨てるところがありません。茎葉も美味しくいただけます。緑色の茎ブロッコリー「スティックセニョール」とよりも野性味があるのが特徴です。きれいな紫色を残したまま料理に活かす方法が見つかりません。いいアイディアが見つかった方は是非お知らせください。

虹色畑 銀次                    
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虹色畑

野菜の作り手が食べている、本当に旨い野菜を皆さんにも食べていただきたい。
化学農薬、化学肥料を使用しないで丹精込めて育てています。
昔々、湘南・鎌倉のお百姓さんはなかなか広い畑が手に入らず、小さな畑で何種類もの野菜を器用に育てていたそうです。
そして、そんな畑は「七色畑」と呼ばれていました。
ひとつの畑に色とりどりの野菜たちが旬を彩り、花も虫も草も共生できる・・・
そんな畑を目指して『虹色畑』と名付けました。
2016年1月、神奈川県中井町へ移住。家族で野菜作りを始めました。
個人様への発送、飲食店様への発送を中心に、イベントにも出店予定です。