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にじいろだより 第17号    2018.02.19

一度召し上がったお客様より、「あの白い人参、美味しいね~♪」と最近お声を多くいただくようになっていました。何気なく糖度を計ってみたのです。そこで出た値を見た時、実際目を疑いました。糖度はなんとBrix 11.2%!!この値はなんとイチゴや高糖度トマトの糖度を越えています。虹色畑で育てているほかの人参の糖度はBrix 8.0%前後(これでもそこそこ甘いそうです)。他の人参に比べてもキャロットブランはずば抜けて甘かったのです。

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この甘さは何度も何度も霜に当たって、人参自ら「凍らないように」と生きる知恵を絞っているからこそなんです。色も関係しているような気がしています。畑の野菜の中でも白色はそれほど寒さに強い色ではありません。それよりも紫色とかの方が霜に負けていない印象です。白色にも関わらず、寒さに負けないようにすると、キャロットブランのようなことが起こるのかもしれません。ちょっと大げさに聞こえてしまうかもしれませんがこの甘さならば砂糖も作れてしまうかもと妄想してしまいました。
昨日、日中にも関わらず、畑にイノシシが出てきました。畑のまわりの藪に隠れていたようです。大浦ごぼうを掘っている穴に入ってみたり、鼻で畑を掘り返したり、畑に戻したカボチャのタネを食べたりしている様子。百姓としては「カワイイ~♪」なんて言っていられません。近づいて、山に帰るように威嚇してみましたが、逃げるどころかじわじわ近づいてくるではありませんか。中型サイズだと思いますが、硬そうな毛はモヒカン刈りで迫力があります。近くでミカンを切っていたご近所さんは軽トラの荷台に飛び乗り、地区の長老(地主さん)は後ろで「伊藤さんやめときなよ!」と叫んでいます。県内でイノシシに足を噛まれてニュースになっていたお百姓さんの話を思い出して、ソロソロと私も後退りしました。長老が悔しそうに「鉄砲でもあればなぁ。。。」と。その後、イノシシは畑の散歩に飽きたのか、ゆっくり山に戻って行きました。

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 イノシシは臆病な動物だからあまり里に降りてこない、と聞いていましたが、思っていたよりも堂々としていました。これが日常になってしまうのかも、と先の不安を感じながら野良仕事に戻ってしばらくすると・・・なんと、また畑に戻ってきているではないですか!!図々しい奴だ!!私は近くにあった軽トラに乗り込みました。エンジンをかけ、4WDに入れ、デフロックをオン、アクセルをブオンブオン言わせて畑の中をイノシシに突進しました。これにはさすがのイノシシも驚いて畑からは逃げましたが丘の上から振り返ってこちらを見ています。「ここは来てはダメなところ」だとわかってくれると良いのですが・・・。そもそも、野生動物の楽園であったはずの野山を切り拓いて、野生動物を追い出して勝手に住んでいるのが人間なので、野生動物としても当たり前のこととして、身の危険がなくて美味しいものがあれば里にも降りてきます。中井町にはイノシシの他にも、ニホンジカ、ハクビシン、タヌキ、アライグマ、アナグマなどがいます。キツネやサルを見た、という人もいます。農作物の被害は計り知れません。これから、彼らとは長いお付き合いになりそうです。

虹色畑 銀次  
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虹色畑

野菜の作り手が食べている、本当に旨い野菜を皆さんにも食べていただきたい。
化学農薬、化学肥料を使用しないで丹精込めて育てています。
昔々、湘南・鎌倉のお百姓さんはなかなか広い畑が手に入らず、小さな畑で何種類もの野菜を器用に育てていたそうです。
そして、そんな畑は「七色畑」と呼ばれていました。
ひとつの畑に色とりどりの野菜たちが旬を彩り、花も虫も草も共生できる・・・
そんな畑を目指して『虹色畑』と名付けました。
2016年1月、神奈川県中井町へ移住。家族で野菜作りを始めました。
個人様への発送、飲食店様への発送を中心に、イベントにも出店予定です。